無目的日記昼凪

暖かい日差しの中の海、波ひとつないどこまでも続く平穏な地平線

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例年のスタジオアイジーとレンスミュージックスクールの周年イベントですが、緊急事態宣言に配慮し今年は配信ライブです
身内で、ガレージでケータリング的にバーベキューはやりました 炭火がなければはじまらないので
わたしは二日酔いの三日目ですこし内臓にげんきがない
肉よりも箸休めのピクルスにばかり手が伸びる

3組の配信ライブはどれもすばらしく、かつアットホーム感もあり、お祝いだね こうして一員として撮影させてもらえることをとてもうれしく思います
中でも今回初披露だった村島洋一バンドはソロとは全く違う景色が見えおどろく・おもしろい
出順がトリだったKINEMASはライブ前にはすっかり出来上がっていて、みやしーさんは直前まで「本当にライブすんの?」と言っていた 実際にしれっと5曲もカットしていてウケた ちなみに終盤はほとんど覚えていないらしい

そこからは静かに、噛み締めるように、けれど愉快に酒を飲んだ
まんぞくのいくライブだったらしい村島さんは、酒を煽り、何度も何度もくりかえしアーカイブを見ては、ここ、ここ、としゃべっている
そんな村島さんに、「あんたがいるからおれは宿をとらなかった」といういとまさん、今晩はとことんまで村島さんに付き合うらしい
1時ごろ、わたしは早々に二階に上がりソファに横になる
わたしにとって音楽は、憧れ半分妬み半分なのだった
永遠に手の届かない憧れのようなもの それを憎しみに変えちゃう素質をわたしは持っているよねと思う
音楽のことを好きだということに憚りはもはやないが、音楽をしているひと、実際に音楽の中にいるひと、には敵わない
わたしにはこういうものがたくさんあるが、音楽はとくべつにそうで、たぶん死ぬまでそうなんだろうな と思っているからそうなんだろうな かってに想ってかってに諦めてわたしはそれでいいんですって、やっかいな客みたいだ
実際のところ、わたしはすべての表現に対して嫉妬・憧れ・尊敬・羨望を抱いているのだった 傲慢だと思う

物音で目を覚ますと、いとまさんが床で寝ていた
体を引きずるようにして階段を降りていった村島さんは「俺は帰るで」と言いながらソファで横になっている
同居人はすっかり寝落ちして動く気配すらないので、散らかっていた食器を洗い、ごみをまとめ、ひとり4時過ぎに自転車を走らせて帰宅
わりと正気なのは、二日酔いの三日目のおかげで無茶な飲み方をしなかったからだと思った
自転車を漕ぎながら、どうかこんな場所とこんな時間が続いてゆきますようにと願った ほとんど祈りだった
5階ぶんの階段をのぼり家につき、化粧を落として歯をみがいてシャワーを浴びて、髪まで乾かしてパジャマに着替え、その上もひとつ何かしたのだった
何かしたのだが、何をしたのか思い出せないでいる
なんだか「嘘でしょ飲んで帰ってきた朝方にそんなことできる?」ということをしたのだが、もう、ざんねんすぎるけどぜんぜん思い出せない わたしなにしたの?