無目的日記昼凪

暖かい日差しの中の海、波ひとつないどこまでも続く平穏な地平線

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目が覚めると同居人は既に家を出ていた

この日は一日中二日酔いでしかばねだった
横になっていると「いけるか?」という気がしてくるのだが、縦になるととたんにダメ
ひさしぶりに胆汁まで吐いた 人は胃液を吐き終わると胆汁を吐きます 藻のような緑色です
ベッドで横になっているのだが、ベッドは居心地がよすぎていけない
床に転がり毛布だけ引っ被る
二日酔いのときには床の冷たさ、少々の反発、わたしへの配慮のなさがちょうどいい どうか冷たくしてくれという自責なのかもしれない
数時間寝たり起きたりを繰り返し、そのうち少し動けるようになってきたため座椅子を全倒しにして横になる
床よりはやわらかやさしげ、しかしベッドよりはホスピタリティがない
ここでも数時間寝たり起きたりを繰り返し、もう今日はだめだ、今日は1日横でいようと決める
横になっていてできること、しかもあまり頭を使わなくてよいこと 片手でスマホでできることだとなおよい
そいういうわけで、泣いたり微笑んだりしながらあんスタのメインエピソードを読み返していた
何者でもなかった僕がアイドルという星を見つけ、その星になろうと奮闘し、小さな生まれたての星同士で寄り合って星座を描き、その星座たちの存在する宇宙の一部を観測できるというものなので、あんさんぶるスターズは実質天体観測なのだった
そうこうしているうちに帰ってきた同居人、まだ横になっているわたしを見て楽しそうに「このへんで最も破滅的な飲み方をするよな」などと言っていた
破滅