無目的日記昼凪

暖かい日差しの中の海、波ひとつないどこまでも続く平穏な地平線

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撮影のため、大学の頃通っていた北白川を久々に歩く 懐かしい ほんとうに懐かしい
あの道、あのカフェ、あの酒、あの夜、あの思い出
そういうものが無尽蔵に思い出される
6年間通ったというだけで、なんでこんなにも簡単に、なんでこんなにも懐かしい気分に浸れるのか
わたしは6年間ずっと実家から往復3時間かけて通っていたのでそのところにいろいろと心残りがある、というのはずいぶんと前から感じていたが、学生時代は目の前の制作やバイトで頭がいっぱいでそんなこと真面目に考えてはいなかったんだな
今の知見を持ったままもう一度大学生活を過ごしたい

大学はたいへんに校舎を拡大していて、駐輪場だった場所はドラッグストアになっていて、地味なカレー屋さんはオシャレに改装されていて、小汚い画材屋までホームセンターのようにこぎれいに改装されていた
今大学生の子は、へたしたらひと回り歳が違うんだと気づいてはっとする
そんなにも月日が経ったのに、わたしといったら大学生の頃からなにも変わっていない気がする
さいきん制作をともにしている友人たちが始めたシェアスペースFPで、ここに足りないものはなにかという話をしていて「ここには正社員がいないから……」と言っていた
たしかに社員はいなかった
いまなお大学生の時間の延長戦を過ごしている