無目的日記昼凪

暖かい日差しの中の海、波ひとつないどこまでも続く平穏な地平線

マンサクの花

テレビを見ていたらマンサクという花が出てきて、不意に、昔いっとき母にマンサクと呼ばれていたことを思い出した 母はときどきへんなあだ名でわたしたち姉妹を呼んだ 子供のころはそれが嫌で、へんな名前で呼ばないでくれと思っていた

ところが今、わたしは極々親しい一部の人をしばしばへんなあだ名で呼ぶ いろいろなへんな呼び方で呼ぶ 手を替え品を替え、いろいろな呼び方で呼ぶ

昔から、わたしは好きな音楽をシチュエーションを変えて楽しみたいふしがある いつもイヤホンで聴いている音楽をスピーカーで聴いたり車の中で聴くとかなりいい それと似た感覚だ
マンサクのことを思い出して、へんな名前だけど花の名前で呼んでくれたことをちょっとうれしく思った

同居人と暮らしはじめてから母の気持ちがすこし分かるようになった気がする 愛くるしいとか愛おしいとかいう感情が生活に乗ってくる もちろんそれだけじゃあないが

むかしそれは生活とは別の場所にあった けれど今生活の中に混ざり込んでいる うつくしいマーブル模様 それはすばらしいことに思える