無目的日記昼凪

暖かい日差しの中の海、波ひとつないどこまでも続く平穏な地平線

何やら不穏な夢を見た 母親と食事に行くもうまく噛み合わなかったこと、違法薬物に手を出して逮捕されたことは覚えている 逮捕の瞬間、「ですよね」と思った 半笑いだったと思う

ひさしぶりに朝早く起きて、京都みなみ会館に『うたのはじまり』を観に行った 来場者はわたし含めて5人 劇中、「その人がただそこにいることのなんでもなさをいかに劇的に見えるようにするか」みたいな言葉があって、写真を撮るとき、わたしもそうだと思った その通りだった なんでもない顔を撮りたい なんでもないその顔がいちばん魅力的だから
その後日用品を買いに薬局へ行くと、人がほんとうに距離を取ってズラっと並んでいて、みんなおりこうじゃん、と思った

昼はドンクのクロワッサンと塩パン、夜は冷凍していた米を残りのきんぴらと梅干しで食べた 食後のおやつはポップコーン 種をレンジでチンとした カルピスソーダを飲んだ

正直なところ、ちかごろ内心穏やかだ むだにぎすぎすすることがない 家で過ごすことに抵抗がないからかもしれない
周りの人が多少なりともぎすぎすしたりギラギラしたりしているのは分かるのだが、わたしはむだに穏やかだ いつもこうなんだろう 人がイライラしているとわたしはふうんと思う 人が楽しそうにしているとわたしは同じように楽しめない これは深刻なもんだいだ だって共感し合えないのだから こんなことがばれてしまったらたいへんだ だからわたしはいつも、深刻そうな顔をして適当なことを言っている
ふと右手を見ると手首が脈を打っていた 皮膚の下に卵を産み付けられたみたいだと思った