無目的日記昼凪

暖かい日差しの中の海、波ひとつないどこまでも続く平穏な地平線


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バイト1、伏見へ
この辺りは高校の頃の通学路だったのだだが、当時自分はほとんど周りが見えていなかったのだなと痛感する
正月に初詣に来たときにも思ったが
こんな道だったのか こんな店があったのか 全然知らない
当然当時とは変わっているところも少なくないだろうが、それでもあまりに知らない道や知らない風景ばかり
当時の自分は駅とファミマとスーパーフレスコと森くらいしか認識していなかったのではないか

目的地までのとちゅう、キレそうな坂を登る
あの坂と似ているなと思いながら坂を登り切る
ああ見覚えのある景色 気づけばわたしは高校のすぐ近所に立っていた
そうだった、ほんとうにあの坂だったのだった
記憶がブワッと蘇る 全然気づかなかった
夏、ギターを背負ってこの坂を登ると、背中に汗をかいて仕方がない
ダラダラ歩いているとよけいにしんどい気がして、友人と走りながら上り下りする
ちょうどこんな風に暑くて空が暑くて緑が明るくて
まるで青春みたいだった